不眠による糖尿病への影響

世界の糖尿病患者は10人に1人、予備軍を加えるともっとその数は増えるといわれています。

糖尿病といえば「偏った食生活」「運動不足」を連想する方が多いと思いますが、実は睡眠不足が糖尿病を悪化させる可能性があるのです。

今回は不眠が糖尿病患者に与える影響、そして糖尿病でない方にも悪影響を及ぼしうることを説明していきます。

まず糖尿病がどんな病気か一言で説明すると「インスリンが作用しにくくなり高血糖の状態が続く病気」です。

多い合併症として「網膜症」「腎症」「神経障害」を引き起こし、最悪の場合失明したり透析を受けなければならなくなったりします。

そんな糖尿病にかかっている患者が不眠を抱えているとどうなるのか。

・高血糖による口の渇き、夜間頻尿がひどくなる

・糖尿病性神経障害になり、しびれ、疼痛を引き起こす

・精神的に不安定になり、不安が増す

・肥満により睡眠時無呼吸症候群を発症し、より眠れなくなる

このように不眠の状態が続くと、糖尿病の症状がひどくなる可能性が高まります。

また、前述した合併症にもなりやすくなってしまうので注意が必要です。

そして、糖尿病でない方でも不眠によって糖尿病になりやすくなってしまいます。

・交感神経が高まりインスリンの分泌能力が低下する

・食欲を抑えるホルモン「レプチン」が低下し肥満になりやすくなる

・体の熱生産機能が低下し、血糖値が上がる

・空腹時に血糖値が上昇する

インスリンが出にくくなったり、食べ過ぎたり、血糖値が上昇したりと、不眠によって体が糖尿病の状態に近くなってしまいます。

この状態を放置しておくと、気づかぬうちに糖尿病へと進行してしまうのです。

そうならないためにも、睡眠時間は6時間から7時間を目安にしましょう。

また、睡眠の質を上げるために「起きる時間を一定にして体内時計を整える」「日光の下、適度な運動をして入眠しやすくする」「寝る前にストレッチやヨガで筋肉をほぐしたり、アロマやハーブティーでリラックスしたりして副交感神経を優位にする」などを意識したいところです。

以上が、不眠が糖尿病に与える影響です。

自分は太っていないから糖尿病とは無関係だと決めつけず、誰でも不眠によって糖尿病になる可能性があることを知っておきましょう。

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