不眠による腎臓への影響

腎臓が悪くなる原因として「水分不足」はよく耳にするかと思います。

しかし、実は「不眠」も腎臓に多大な悪影響を及ぼしているのです。

まず腎臓の働きは大きく分けて5つ。

・老廃物や余分な水分などをろ過し、尿として排泄する

・体内の水分量やイオンバランス(酸性・アルカリ性)を正常に保つ

・血圧をコントロールする

・赤血球をつくる

・ビタミンDを活性化させて骨を丈夫にする

では不眠によって、これらの働きにどう悪影響が出るのでしょうか。

睡眠不足になると「眠れない・日中眠いことなどからくるストレス」「起きている時間が長いことからくる腎臓の過労」により、腎臓に大きな負担がかかってしまいます。

すると老廃物をうまく排泄できなくなり、以下のような症状が出るのです。

・手足がむくむ

・貧血になる

・血圧が上がる

・骨がもろくなる

・イオンバランスが崩れ体が酸性になる

・カリウムが高くなる

しかしこの時点では、自覚症状が薄くほとんどの人が気づけません。

このまま放っておくと最悪の場合、慢性腎不全になってしまいます。

慢性腎不全の患者を集めて行った研究によると、睡眠不足が5時間未満では透析が必要になる可能性が2.1倍、8時間以上では1.5倍。

この結果からも、7時間前後がベストで、睡眠が腎臓に大きく関わっているのが分かります。

透析が必要になるほど慢性腎不全が悪化すると体内時計が乱れるといわれていて、体内時計が狂うとさらに睡眠不足がひどくなります。

こうして負の無限ループを生んでしまうのです。

また、大切にしたいのは睡眠時間だけでなく質もです。

なんと睡眠の質が低い人も、透析になる可能性が1.3倍だという結果が出ています。

このように腎臓を壊して最悪の事態に陥らないためにも、睡眠はしっかりとるべきだといえるでしょう。

そのためにも、規則正しい生活を送り、適切な睡眠環境を確保したいところです。

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