日本で睡眠に満足している人口の割合は約30%。残りの70%の人は、睡眠に対して何らかの不満を抱えているといわれています。
1日6時間未満しか眠れていない人は男女ともに約40%もいるのです。
さらに、男性の約30%、女性の約40%は、日中の眠気に悩まされています。
これほど睡眠不足が浸透しているのはなぜなのでしょうか?
年代別にその理由を解説していきます。
1:10代(男性・女性)「勉強」
10代は主に、夜遅くまで勉強をしていて、睡眠時間が確保できていないようです。
受験勉強中は、勉強をしていないと不安を感じてしまうため、机から離れるのが怖いですよね。
ですが、ぼんやりとした頭で机に向かっていても、逆効果。朝早めに起床して、学校へ行くまでの短時間、集中して勉強した方が、圧倒的に効率が良いのです。
また、友達とのLINEのやり取りで、遅くまで起きている方も多いようですね。
2:20代(男性・女性)「スマホ」
20代は、最も体力があり活発な時期なので、夜更かししてしまう方が多いようです。
理由としては、「SNSを見続けてしまう」「動画を見たいから」「ゲームがしたいから」といった、スマホ関連のものが中心ですね。
仕事で疲れたあとに、スマホで動画などを見るのはホッと息をつける時間でしょう。
しかし、寝る前にスマホを見るのは睡眠の妨げになります。
通常、人間は寝る前になると、メラトニンという睡眠を促すホルモンが出るようになっています。
ですが、スマホのブルーライトがメラトニンの分泌を抑えてしまうのです。
結果、良く眠れなくなってしまう恐れがあります。
そのため、寝る直前までスマホを見ているのは避けた方が良いでしょう。
3:30代・40代(男性)「仕事」
30代からは、男女で理由が分かれてくるようです。
まず、男性。こちらは主に仕事によって睡眠不足になっています。
責任のある仕事を任されたり、自分の仕事に部下の指導が加わったりと、仕事量が増えることが原因と考えられます。
日本人には「睡眠時間を削って働くことが美徳だ」とされる価値観がまだまだあるため、
すぐに改善するのが難しい問題だといえます。
睡眠時間がとれない場合はせめて、自分に合った寝具をつかうなど、睡眠の質にこだわってみましょう。
4:30代・40代(女性)「育児」
この世代の女性が忙しい一番の理由は、育児です。
特に、共働きで小さなお子さんがいる場合、朝から晩まで休む暇がありません。
自分の時間が持てるのは、お子さんが寝てからという方が多いでしょう。
しかし、それから活動を始めると、どうしても寝るのが遅くなりがちです。
もちろん息抜きも大事です。
しかし、毎日遅寝早起きしていては、体を壊してしまいます。
そのため、寝室の環境を整えたり、寝具にこだわってみるなど、睡眠の質を上げることを心がけてみましょう。
ちなみに、睡眠に適した部屋の温度は33度、湿度は50%です。
5:50代以上「自律神経の乱れ」
50代以上になると、寝付きが悪い、眠りが浅い、トイレが近くて何度も目が覚めるといった問題が出てくるようです。
原因が、自分の行動だけではなくなってきています。
歳とともに自律神経の働きが鈍くなってくるので、仕方ないともいえます。
対策としては、規則正しい生活を送り、自律神経を整えることです。
年齢問わず、他にも「ストレス」「精神疾患」「トイレが近い」といった原因もあります。
無理しすぎず、自分の手に負えないと感じたときは、専門機関に頼るなど、プロの手を借りることも大切です。
また、職業別に見ていくと、
「配達業務」「生産系(畜産など)」「保安職(自衛や警察)」「運転手」「弁護士」「医者」「エンジニア」
が睡眠不足に陥りやすいです。
働く時間が不規則であったり、労働時間が長かったり、早朝から業務があったりする職業は、どうしてもうまく眠れないようですね。
特に、働く時間が不規則だと、体内時計が狂ってしまっており、スムーズに寝付けない場合が多いです。
そのようなときは、無理に眠ろうとしても逆効果です。
ベッドから出て、心の落ち着く音楽を聴いたり、本を読んだりして、眠くなるのを待ちましょう。
以上が、睡眠不足に陥りやすい理由と職業です。
すぐに睡眠を改善するのは難しいとは思いますが、まずは自分がなぜ睡眠不足なのかを知り、それから対策を考えていくのが大切だといえるでしょう。