女性は、女性ホルモンに体調を左右されやすく、多くの人が睡眠の悩みを抱えています。
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、眠気の促進・抑制に影響を与えています。
そのためこれらのホルモンが減ると、睡眠障害が起こりやすくなるのです。
例えば生理前はプロゲステロンの分泌量が増えるため、日中の強い眠気に悩まされる人が多くなります。
更年期になると、反対に分泌量が減るため不眠を引き起こしやすくなるのです。
ではなぜ、女性ホルモンの分泌が睡眠に影響を与えるのか。
実は良好な睡眠に大切な自律神経を調整する脳の視床下部と、女性ホルモンを分泌する卵巣が相互に関係しているためです。
更年期になると脳の視床下部が卵巣に「女性ホルモンをもっと分泌して」と命令しているにも関わらず、分泌できないので視床下部の働きが乱れてしまいます。
すると自律神経のコントロールがうまくできなくなり、不眠を引き起こすのです。
また、反対に睡眠が不足していても女性ホルモンの分泌に悪影響を及ぼしてしまいます。
不眠で脳の視床下部の機能が鈍ると、卵巣にうまく命令が伝わらないためですね。
このように自律神経をつかさどる脳の視床下部と女性ホルモンを分泌する卵巣は相互に大きく関わっているので、どちらかの機能が低下するともう一方の機能にまで悪影響を与えてしまうのです。
そこで、女性ホルモンの分泌と不眠への対処法を2つ紹介します。
①女性ホルモンを調節する食事
②体内時計を整える生活
①エストロゲンと似た性質を持つイソフラボンを摂りましょう。主に大豆製品(納豆、豆腐など)
それからナッツや海藻に含まれるボロンはエストロゲンの分泌を促す働きがあるのでおすすめです。
②ホルモンバランスが崩れると日中に強い眠気を感じたり、夜眠れなくなったりと睡眠・覚醒のバランスが悪くなります。
そのためには、意識的に体内時計を整えて睡眠と覚醒のメリハリをつけてあげる必要があります。
具体的には
・朝起きる時間を一定にする
・朝起きたら日光を浴びる
・適度な運動を習慣にする
・昼寝は30分以内におさめる
などがありますね。
ホルモンバランスを自力で整えるのは無理がありますが、規則正しくメリハリのある生活は誰でも心がけることが可能です。
以上が、睡眠と女性ホルモンの関係です。
相互に関わり合っていて、いかに女性が睡眠の悩みを持ちやすいかが分かるかと思います。
生理前後に体調を崩しやすい人や更年期で不眠がちな人は、生活にメリハリをつけて体内時計を整えることを意識してみてください。